「それって、なあに?」
きらきらと瞬くそれにフリスクは首を傾げるとフラウィーは「よくぞ聞いてくれました!」と可愛らしく笑った。
「これはね、僕からのLoveだよ!君がこの世界から無事出られるようにおまじないさっ」
「おまじない?」
相変わらずキョトンとするフリスクにフラウィーはニコニコと笑う。
「そう、おまじない」
「フ、フラウィー...?」
ただならぬ何かを感じ取り、フリスクは少し後ずさった。
「君のソウルにおまじないをかけるのさ」
「え、ソ、ソウル?なにそれ...!??
こ、これって...ハート?」
ふよふよと目の前に浮かぶ小さな赤いハートにフリスクは驚く。
「それがソウル。この地下世界でソウルはとても重要だよ?その人の【命】ともいえるからね」
「ソウル...いの、ち?
ね、ねぇフラウィー」
「さぁいくよ!このおまじないに触って!」
戸惑うフリスクに構わずふわっと白いそれが降り注がれた。
身の危険を感じ逃げようとするも金色の海に足をとられその場で尻餅をついてしまう。
どうしよう、と顔を上げた瞬間。
突如痺れるような痛みが走った。
「ーーーーっっ!??」
(痛いっ!?痛いっ…!!)
感じたことの無い痛みと、驚きと恐怖感に目に涙を浮かべうずくまる。
「ひゃはははははははははッッ!!!
ざぁあんねんでしたあぁあっ!教えてあげるよ!この世界はね…
〝騙すか騙されるか〟...そして〝殺るか殺られるか〟さ!!!」
フラウィーがけたけたと体を揺らしながら笑う。さっきまでの可愛らしい雰囲気とは大違いだ。
「ほら立ちなよ僕ちゃん!ひゃはははは!!」
砂の海から蔦が生えしゅるしゅるとフリスクの体に絡みついていく。無理矢理立たされた形になりフリスクはますます涙を溢れさせた。
「じゃあね僕ちゃん
ーーーーーー死ね」
先程の幾多の白い粒がフリスクへと投げられる。
殺される。死んじゃう。いやだ、たすけて。
「っあ...だ、やだ、やだぁっ!」
「やめなさいッッ!!」
刹那。女性の声が聴こえたのちにゴォオッと赤い焔が目の前を通過した。
それにより白い粒は一瞬で燃え散り、赤々とした焔にフリスクは目を奪われたのだった。